構造理解と分解力が価値を決める
EC担当という仕事は、
一見すると“運用業務”の集合体に見えます。
広告を回す。
商品ページを改善する。
モールを運用する。
CRMを設計する。
しかし、メーカーECの現場に立つと気づきます。
ECは作業の積み重ねではなく、
構造を理解し、事象を分解し続ける仕事だということに。
なぜ「作業力」だけでは限界がくるのか
EC担当として評価される初期段階では、
作業の正確さやスピードが武器になります。
しかし、売上が伸び悩むフェーズに入ると、
作業量を増やしても突破できない壁が現れます。
なぜなら、
課題は“表面”ではなく“構造”にあるからです。
広告費を増やしても伸びない。
セールを打っても利益が残らない。
ページを改善してもCVRが上がらない。
そのとき必要なのは、
もう一段深い視点です。
構造理解は、出発点でしかない
ECはとても流動的です。
購入者の反応ひとつで、
戦略は簡単に変わります。
「これが正解だ」と思い込んだ瞬間に、
ズレが生まれることもある。
だから構造を理解することは大事です。
ただし、
構造理解は“ゴール”ではありません。
むしろスタート地点です。
理解した構造を、
どれだけ現場の数字に落とし込み、
検証し続けられるか。
そこからが本番です。
売上が上がらない時、どう分解するか
例えば、
「この商品の売上が鈍化している」という事象。
ここで止まるのか、
分解するのかで、視座は大きく変わります。
分解する人はこう考えます。
・指名キーワードの減少か?
・一般キーワードの順位低下か?
・外部流入の減少か?
・外部流入ならGoogle検索か?アフィリエイトか?
・CVRの変化か?
・客単価の変化か?
・リピート率の変化か?
売上という一つの数字を、
流入 × 転換 × 単価 × 継続 にまで分解できるか。
そして、そのどこに“打ち手”があるのかを整理できるか。
これが、EC人材としての深さを決めると感じています。
私自身の変化
以前の私は、広告という“点”を見ていました。
CPAが下がれば成功。
ROASが上がれば成果。
しかし今は、
・その広告は本当に利益を生んでいるか
・モールと自社ECの役割は整理されているか
・短期売上と中長期LTVは両立しているか
・施策は再現可能か
という視点で考えるようになりました。
メーカーECは、
単なるチャネル運用ではありません。
ブランド・商品・価格・チャネル・広告。
これらが一体となった“事業設計”です。
だからこそ、
EC担当にも事業視点が求められる。
そう感じるようになりました。
正解を持つのではなく、問い続ける
構造を理解している人でも、
それを“唯一の正解”だと信じた瞬間に危うくなる。
市場は流動的で、
顧客の反応によって常に変化するからです。
だから必要なのは、
構造理解 × 分解力 × 仮説検証。
そして何より、
問い続けられる視点。
私はまだ途中です。
完成された答えを持っているわけではありません。
ただ、戦術を語れる人ではなく、
構造レベルで議論できるEC担当でありたい。
その姿勢を持ち続けることが、
これからのEC人材に求められる力だと考えています。


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