「EC担当になりたいけど、未経験でも転職できるのだろうか。」
EC市場の拡大に伴い、EC担当を目指す人は増えています。
一方で、
- 何を勉強すればいいのか分からない
- 未経験でも採用されるのか不安
- メーカーと代理店のどちらを選ぶべきか迷う
という声も少なくありません。
私は新卒でメーカーECに入り、その後ECモール企業での支援側、再びメーカー側と、EC業界の様々な立場を見てきました。
その経験から言うと、
未経験からEC担当になることは十分可能です。
ただし、闇雲に勉強しても遠回りになることがあります。
この記事では、
- EC担当の仕事内容
- 未経験からEC担当になる方法
- 転職前に学ぶべきこと
- キャリアの考え方
を構造的に整理します。
この記事でわかること
- 未経験からでもEC担当になることは可能だが、「ECに興味がある」だけでは評価されにくい
- 入社前に最優先で学ぶのは「モールの構造」と「ECの利益構造」
- 楽天RMSやAmazon Seller Centralなど、実務の画面に触れておくと面接で話せる内容が変わる
- 最初の入口として、多くの企業のECを見られるEC支援会社・プラットフォーム企業という選択肢
EC担当とはどんな仕事なのか
EC担当とは、
ECサイトの売上と利益を成長させる仕事です。
具体的には、
- 商品ページ改善
- 広告運用
- CRM施策
- データ分析
- 売上管理
などを担当します。
ただし実際のメーカーECでは、それだけではありません。
例えば、
- 商品部との調整
- 代理店との打ち合わせ
- 在庫確認
- 社内稟議
- KPI設計
なども重要な仕事になります。
EC担当は単なる運用担当ではなく、
売上を作るために意思決定を行う仕事
だと考えています。
▶ 関連記事
メーカーEC担当の1日を公開|仕事内容・残業時間・忙しさの実態
未経験でもEC担当になれるのか
結論から言うと、
未経験でもEC担当になることは可能です。
実際にEC業界では、
- 営業職
- Web担当
- 小売業
- マーケティング職
などから転職してくる人も多くいます。
ただし、
EC業界は比較的即戦力を求める傾向があります。
そのため、
「ECに興味があります」
だけでは評価されにくいのも事実です。
最低限、
ECの構造やビジネスモデルを理解していることが重要になります。
私自身、EC業界に入ったのは約10年前で、職種は営業でした。当時は「最先端の業界で働いているような感覚」が少しあったのを覚えています。最初から「EC担当」という完成された職種でキャリアを始める必要はありません。ECに関わる仕事に入って、そこから経験を広げていく入り方もあります。
とはいえ、営業から入れば簡単という話でもありません。未経験の採用が難しいのは、企業側が入社後に仕事を教える必要があるからです。経験者ならすぐ任せられる仕事でも、未経験者には時間をかけて育てる前提になります。だから「未経験歓迎」という言葉だけで応募を決めないほうがいいです。
一方で、実行する業務の比重が大きいメーカーECなどでは、未経験から入れるポジションもあり得ます。これは会社と求人によるので、募集内容を一件ずつ見ていくしかありません。
未経験者が遠回りしやすいパターン
- 「ECに興味があります」という熱意だけで応募する
- 売上ばかりを見て、利益がどう作られているかを理解していない
- 資格の勉強から入り、ECの構造理解が後回しになる
私が未経験に戻るなら最初に学ぶこと
もし今の知識を持ったまま未経験に戻るなら、
最優先で学ぶのは次の2つです。
① モールの構造を理解する
Amazon
楽天市場
Yahoo!ショッピング
など、
モールごとに売上の作り方は大きく異なります。
例えば、
- 検索順位
- 広告
- レビュー
- ランキング
など、
売上を決める要素も違います。
EC業界に入りたいなら、
まずはモールがどのような仕組みで成り立っているのかを理解することをおすすめします。
② ECの利益構造を理解する
未経験者は売上ばかり見がちです。
しかし、
ECは利益を残して初めて事業になります。
例えば、
- 原価
- モール手数料
- 広告費
- 物流費
など。
売上だけではなく、
利益がどのように作られているかを理解している人は評価されやすいです。
メーカーECでは特に重要な視点になります。
この2つに加えて、売上の見方を一つ覚えておくと、学ぶ内容がつながりやすくなります。
売上 = 訪問者数 × CVR(購入率) × 客単価
広告は訪問者数を増やすため、商品ページの改善はCVRを上げるため、まとめ買いの施策は客単価を上げるため。ECの施策は、最終的にこのどれかにつながります。会社やモールによって打てる手はかなり違いますが、売上を見るときの枠は共通していると感じています。
難しい計算を覚える必要はありません。何か施策を見たときに「これはどこを動かす話なのか」と分解して考える癖をつけておくだけで、入社後の理解の速さが変わります。
実務に近い知識も身につけておきたい
EC業界は即戦力採用が多い業界です。
そのため、
可能であれば、
- 楽天RMS
- Amazon Seller Central
- Google Analytics
- 広告管理画面
などに触れておくと有利になります。
実際の画面を知っているだけでも、
面接で話せる内容は大きく変わります。
未経験者が最初に入るならどんな会社がおすすめか
個人的におすすめなのは、
EC支援会社
または
ECプラットフォーム企業
です。
理由はシンプルです。
多くの企業のEC事業を見られるから。
メーカーに入ると、
基本的には1社のECしか経験できません。
一方で、
代理店やEC支援会社では、
様々なメーカーのEC運営を見ることができます。
- 成功事例
- 失敗事例
- 業界ごとの違い
を短期間で学べるため、
ECの構造理解が早く進みます。
もう一つ、知っておくと会社選びがしやすくなることがあります。EC業界ならどこでも同じ経験が積めるわけではないということです。
私が複数の立場を経験して感じた傾向で言うと、メーカーでは全体を動かすマネジメント寄りの経験、プラットフォームでは複数社を横断して見る分析寄りの経験、支援会社では分析から実行まで関わる経験が積みやすいです。必ずそうなるという法則ではなく、会社や役割によって変わります。この違いはEC業界で働く場所による仕事内容の違いで整理しています。
メーカーECという選択肢も魅力的
もちろん、
メーカーECにも大きな魅力があります。
メーカー側では、
商品
利益
在庫
ブランド
まで含めて考えるため、
事業全体を見る力が身につきます。
私自身も新卒でメーカーECに入り、
事業の全体像を見る経験ができたことは大きな財産になっています。
ただし、
企業によって成長環境は大きく異なります。
転職する際は、
- ECへの投資姿勢
- 組織体制
- 意思決定のスピード
なども確認した方が良いでしょう。
メーカーECへの転職で、市場価値が伸びる会社をどう見分けるかは、この記事の最後に案内している「メーカーECへの転職はおすすめ?」で詳しく整理しています。
EC担当に向いている人の特徴
EC担当は、
特別な才能が必要な仕事ではありません。
むしろ、
- 数字を見ることが苦ではない
- 改善を繰り返せる
- 変化に対応できる
人が向いています。
EC業界は変化が早い業界です。
モールのルールも変わる。
競合も変わる。
顧客行動も変わる。
だからこそ、
知識量よりも、
柔軟性と判断力の方が重要になる場面も多いと感じています。
自分が向いているかをもう少し詳しく確認したい方は、こちらで整理しています。
▶ EC担当に向いている人とは?メーカーEC経験者が感じた5つの共通点
「EC業界に入ること」をゴールにしない
ここまで入口の話をしてきましたが、最後に一つだけ、入る前に知っておいてほしいことがあります。求人票に「EC担当」「EC運営」と書かれていても、実際の仕事内容はかなり違うということです。
会社によっては、請求処理、売上の計上、物流の手配といった運営業務が中心のこともあります。これらはEC事業を回すために必要な仕事で、価値がないわけではありません。問題は、それだけで毎日が埋まってしまい、「どうすれば売上が上がるか」を考えて実行する経験がほとんど積めない場合です。
EC担当として力がつくのは、数字を見て、売上を上げるための施策を考え、実行して、結果を見て、次の改善につなげる。この繰り返しだと思っています。未経験のうちは特に、ここに関われるかどうかで最初の数年の中身が変わります。
だから、見るのは「忙しい会社かどうか」ではありません。その忙しさの中で、どんな経験が積める会社なのかです。求人を見るときは、次のあたりを確認しておくと判断しやすくなります。
- どこまでが自分の担当範囲になるのか
- 売上を作る施策に関われるのか、運営業務が中心なのか
- 広告、販促、商品ページの改善などに触れられるのか
- 入社後、具体的に何を任される予定なのか
求人票のどこを読めばこれが分かるかはEC求人票から実際の担当範囲を見極める方法にまとめています。入社後の1日が実際にどう進むのかはメーカーEC担当の実際の1日が参考になります。
結論|EC担当になるために最も重要なこと
この記事のまとめ
- 未経験からEC担当になることは可能。ただし資格よりもECの構造理解が重要
- まずはモールの構造と、ECの利益構造を理解する
- 可能であれば、モールや広告の管理画面など実務に近い知識にも触れておく
- 代理店やプラットフォーム企業も含めて入口を考え、その上でメーカーECという選択肢も検討する
未経験からEC担当になることは可能です。
ただし、
資格を取ることよりも重要なのは、
ECの構造を理解することです。
まずは、
- モール構造
- 利益構造
を理解する。
そして、
代理店やプラットフォーム企業も含めてキャリアを考える。
その上で、
メーカーECへ進むという選択肢も十分ありだと思います。
EC業界は成長市場です。
だからこそ、
「何を勉強するか」よりも、
「どの構造を理解するか」
が重要だと私は考えています。
メーカーECの全体像を順番に学びたい方は、はじめてのメーカーEC講座もご覧ください。
次に読む:
メーカーECへの転職はおすすめ?市場価値が高まる会社の選び方
次に読むべき記事
▶ メーカーEC担当の仕事内容とは?
▶ EC担当のスキルマップ|実行・分析・設計の3つの力で経験を整理する
▶ EC担当の市場価値とは何か|評価構造とキャリア戦略の全体像
▶ EC担当とは何をする仕事?
仕事内容・スキル・キャリアを解説
▶ EC業界に将来性はある?
市場の成長とAIで変わるEC担当の仕事
自分の市場価値を整理したい方へ
未経験からEC担当を目指す方も、いまの経験がECでどう活かせるのか、次にどんな経験を積むべきかを整理できます。所要時間は約3分です。

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