EC運用は「内製化か代理店か」という問いがよく生まれる
EC運用は内製化と代理店どちらが良いのかを構造から整理します。
代理店構造シリーズ 第⑦回
このシリーズでは、メーカーECと代理店の関係構造を整理しています。
全体構造はこちら →EC構造全体像(サイトマップ)
ECを始めた企業の多くが、あるタイミングでこの議論にぶつかります。
- 代理店に任せたままでいいのか
- 内製化した方が利益率は上がるのか
- 自社にノウハウを持つべきではないか
一方で、代理店を使う理由も明確です。
- 人材を採用しなくてよい
- 立ち上げスピードが速い
- 専門知識を持った人材がいる
そのため企業の中では、
「内製化すべきかどうか」
という議論が繰り返されることになります。
しかし、この議論はしばしば単純化されすぎています。
よくある整理:内製化 vs 代理店
一般的には、内製化と代理店運用は次のように整理されます。
内製化のメリット
- ノウハウが社内に蓄積される
- コストコントロールがしやすい
- 意思決定が速い
代理店運用のメリット
- 専門性の高い人材が使える
- 採用コストがかからない
- 立ち上げが早い
一見すると、これは合理的な比較のように見えます。
しかし実際には、この整理では
企業が直面している問題の本質は説明できません。
本当の論点は「能力」ではなく「構造」
多くの場合、企業はこう考えます。
「代理店より優秀な人材を採用できれば内製化できる」
しかし、EC運用において重要なのは
個人の能力ではありません。
重要なのは
再現性のある構造があるかどうか
です。
EC運用は一部の優秀な担当者だけで成立するものではなく、
- 分析
- 施策設計
- 改善
- 運用
といったプロセスが
組織として再現できること
が重要になります。
なぜ企業は代理店依存から抜けられなくなるのか
多くの企業が代理店を使い続ける理由は、コストではありません。
むしろ問題は
知識の蓄積場所
にあります。
代理店モデルでは、
- ノウハウ
- 分析
- 運用方法
の多くが代理店側に蓄積されます。
その結果、
企業側は意思決定をするための情報を持たない状態になります。
この状態になると、企業は
代理店を変えることも、内製化することも難しくなります。
つまり
能力の問題ではなく構造の問題
なのです。
内製化か代理店かの本当の判断軸
内製化か代理店かを判断する際に、本当に重要なのは次の3つです。
① 再現性が組織にあるか
EC運用が担当者依存になっていないか。
② 知識がどこに蓄積されているか
企業なのか、代理店なのか。
③ 意思決定の主体は誰か
施策の意思決定を企業がしているのか。
内製化と代理店の最適構造
重要なのは、
内製化か代理店かの二択ではない
ということです。
実際には多くの企業で
- 戦略:社内
- 実務:代理店
という形で役割分担が作られます。
問題になるのは
戦略まで代理店に依存してしまう構造
です。
この状態になると、企業は
ECを「運用される側」になってしまいます。
内製化か代理店かの議論において
本質的に重要なのは
「どちらが優れているか」ではなく、
「現状を正しく評価できているか」です。
評価基準がない状態では、
適切な意思決定はできません。
評価を定量化し、
判断まで行えるテンプレートをまとめています。
結論
EC運用において
内製化と代理店運用は優劣の問題ではありません。
本当の論点は
- 知識がどこに蓄積されるか
- 再現性がどこにあるか
- 意思決定を誰が持つか
という
組織構造の問題
です。
この構造を設計しないまま
「内製化するべきか」
という議論をしても、答えは出ません。
ECは
戦術ではなく構造で成長する領域
だからです。
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