多くのメーカーECは代理店運用から始まる
メーカーECが代理店依存になる理由を構造から整理します。
代理店構造シリーズ 第③回
このシリーズでは、メーカーECと代理店の関係構造を整理しています。
全体構造はこちら →EC構造全体像(サイトマップ)
メーカーがECを始めるとき、
最初からすべてを内製で行う企業は多くありません。
理由は単純です。
ECには
- モール運用
- 広告運用
- SEO
- データ分析
など、専門性の高い領域が多いからです。
社内に経験者がいない場合、
代理店に依頼することは合理的な判断です。
問題はこの判断自体ではありません。
代理店依存は自然に生まれる構造
EC立ち上げの初期段階では、
代理店を使うことは非常に合理的です。
- 立ち上げスピードが速い
- 専門知識を使える
- 採用コストが不要
そのため多くの企業が、
まず代理店を使う
という選択をします。
しかし、その後の構造設計が行われない場合、
企業は徐々に代理店依存の状態になります。
代理店依存を生む3つの構造
代理店依存は偶然起きるものではありません。
いくつかの構造が重なることで生まれます。
① 知識が企業側に残らない
代理店モデルでは、
- 分析
- 運用ノウハウ
- 改善方法
の多くが代理店側に蓄積されます。
企業側は結果を見ることはできますが、
プロセスを持つことができません。
② 評価指標が外部化される
EC運用の成果は、
- 売上
- ROAS
- CVR
などで評価されます。
しかし、これらの数字の分析や改善提案が
代理店側に依存している場合、
企業は
評価の基準を外部に委ねる
ことになります。
③ 社内に再現性が作られない
EC組織で重要なのは、
再現性
です。
担当者が変わっても
組織として運用できる状態が必要です。
しかし代理店依存が続くと、
- ノウハウ
- 分析
- 施策設計
の多くが社内に残りません。
その結果、
企業はECを
自分たちで動かせない状態
になります。
依存構造が固定化する理由
依存構造が強くなる理由のひとつが、
担当者の異動
です。
メーカーでは、EC担当者が
数年で異動することも珍しくありません。
そのため、
- 新しい担当者はECを知らない
- 代理店が運用を続ける
という状態が繰り返されます。
この状態が続くと、
企業の中にECの構造が残らなくなります。
依存から抜ける企業と抜けない企業
代理店依存から抜ける企業は、
ある共通点を持っています。
それは
構造設計をしていること
です。
例えば、
- 知識を企業側に残す
- 分析プロセスを共有する
- 意思決定を社内に置く
といった設計です。
一方で、
単に「運用を委託する」だけの企業は、
時間が経つほど
代理店依存が強くなります。
結論
メーカーECが代理店依存になるのは、
企業の能力が低いからではありません。
多くの場合、
依存が生まれる構造が最初から存在している
ためです。
重要なのは、
代理店を使うかどうかではなく、
- 知識がどこに蓄積されるのか
- 意思決定を誰が持つのか
- 再現性がどこに存在するのか
という
構造を設計すること
です。
ECは
戦術ではなく構造で成長する領域
だからです。
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