メーカーECでブランドとECが噛み合わない理由|売上とブランド価値を両立する考え方
メーカーECは「ECを運営する仕事」ではありません。
ブランド・営業・小売・ECが複雑に関わる事業です。
本シリーズでは、メーカーECならではの構造を整理しています。
全体構造はこちら → EC構造全体像(サイトマップ)
なぜブランド部門とEC部門は噛み合わないのか
メーカーECで働き始めて、多くの人が最初に感じるのが
「ECだけでは意思決定できない」
ということです。
売上を伸ばすためには価格を下げたい。
しかしメーカーでは、価格だけを理由に施策を決めることはできません。
ブランド価値や小売店との関係など、EC以外の視点も考慮する必要があります。
私自身も、メーカーECで一番「ブランドとECは違う」と感じたのは、価格設定でした。
ECは売上を伸ばきたい、ブランドは価値を守りたい
EC担当は、売上や利益を伸ばすことが役割です。
一方でブランド部門は、
- ブランド価値を維持する
- 安易な値引きを避ける
- 長期的なブランドイメージを守る
ことを重視します。
どちらも会社にとって重要な役割ですが、見ている指標が違うため、考え方がぶつかることがあります。
例えば、
- ECは「売上を伸ばしたい」
- ブランドは「価格を守りたい」
という状況は、メーカーECでは珍しくありません。
メーカーECで一番難しいのは価格設定
私がメーカーECで最も難しいと感じたのは、価格設定です。
ECだけを見れば、
- クーポンを配布する
- セールを実施する
- 値引きを強化する
ことで売上を伸ばせる場面もあります。
しかしメーカーでは、それだけでは判断できません。
価格を下げすぎると、
- ブランド価値の低下
- 小売店との価格差
- チャネル間のバランス
といった問題につながる可能性があります。
だからこそ、メーカーEC担当には「売るための価格」ではなく、「ブランドを守りながら売る価格」を考える力が求められます。
ブランドを守りながら売上を伸ばせるEC担当が強い
私が考える「市場価値の高いメーカーEC担当」は、売上だけを追う人ではありません。
ブランド価値を理解したうえで、
- セールのタイミング
- クーポン設計
- キャンペーン内容
- 価格戦略
を考えられる人です。
売上だけを追えば短期的な成果は出るかもしれません。
しかしメーカーECでは、長期的なブランド価値とのバランスを取ることが重要です。
D2Cとの大きな違い
メーカーECとD2Cは混同されることがありますが、考え方は大きく異なります。
D2Cはブランド自体を自由に設計できるため、価格や販促も柔軟に決めやすい特徴があります。
一方でメーカーECは、すでにブランドが存在しているからこそ商品が売れる反面、そのブランドを守る責任もあります。
つまり、
ブランドがあるから売れる。だからブランドを壊す施策は選べない。
これがメーカーECならではの難しさであり、面白さでもあります。
メーカーEC担当はブランドと売上の橋渡し役
メーカーEC担当は、ECだけを見て仕事をするわけではありません。
営業やブランド部門、小売店との関係も踏まえながら、
「どうすればブランドを守りつつ売上を伸ばせるか」
を考える仕事です。
だからこそ、EC担当にはマーケティングだけでなく、調整力やマネジメント力も求められます。
まとめ
メーカーECでは、ブランドとECが対立しているわけではありません。
それぞれ役割が違うからこそ、考え方が異なるだけです。
重要なのは、売上だけを追うことでも、ブランドだけを守ることでもありません。
ブランド価値を維持しながら、売上を最大化する方法を考えること。
それが、メーカーEC担当に求められる最も重要な役割だと私は考えています。
関連記事
▶ ECとは何か(EC業界構造)
EC業界の基本構造を解説
▶ EC業界マップ(全体構造)
メーカー・代理店・EC人材の関係
▶ EC業界マップ(全体構造)
本メディアの思想と構造
▶ メーカーECとは?ブランドを守りながら売上を伸ばす仕事
メーカーECならではの役割やビジネスモデルを詳しく解説
メーカーECで「ブランド」と「売上」のバランスに悩んでいませんか?
メーカーECでは、売上を伸ばすことだけが正解ではありません。
ブランド価値やチャネル戦略まで含めて考えられる人ほど、市場価値は高くなります。
「自分はメーカーECでどのレベルまで成長できているのか?」
そんな方のために、ECキャリア診断を無料で公開しています。
所要時間は約3分です。

コメント