20〜30代のEC担当が市場価値を高めるには?年代別キャリア戦略
同じEC担当でも、20代と30代では評価されるものが違います。
20代のうちは「何を経験したか」が評価されやすく、30代になると「何を任されたか」が問われるようになります。年齢そのものが市場価値を決めるのではなく、その年代でどんな役割を経験してきたかが差になります。
この記事では、20代前半・20代後半・30代前半・30代後半という4つのキャリアステージごとに、次に何を経験しておくべきかを整理します。
20〜30代で市場価値の考え方が変わる理由
市場価値をどう評価するかという一般的な考え方は、EC担当の市場価値を高める5つの行動やEC担当の市場価値とは何かで詳しく解説しています。この記事では評価軸そのものの説明は繰り返さず、年代によって「何を経験すべきか」がどう変わるかに絞って整理します。
20代は経験の絶対量がまだ少なく、任される範囲も限られています。だからこそ「何を経験したか」で差がつきます。一方30代になると、実務ができることは前提になり、周囲を動かして成果を出せるか、事業側の判断ができるかが問われ始めます。同じ「市場価値を上げる」でも、年代によって取り組むべきことは変わります。
20代前半|まずは「EC実務を自分で回せる」状態を作る
20代前半は、商品登録、広告入稿、在庫確認、販促設定、売上レポート作成、モール運用、商品ページ修正といった実務を、指示がなくても自分で回せるようになる時期です。
この年代で重要なのは、施策の巧拙よりも幅広く触ることです。特定の業務だけを深掘りするより、複数の業務を経験しておく方が、後々の選択肢が広がります。あわせて、売上だけでなくセッション数やCVRといった数字を見る習慣をつけておくと、次の年代への移行がスムーズになります。
避けたいのは、指示された作業だけをこなし、「なぜこの数字を追っているのか」を考えないまま時間だけが過ぎていく状態です。作業量そのものは、後から市場価値としては評価されにくいということを、早いうちに知っておいた方がいいと思います。
20代後半|作業者から「改善できる人」へ進む
20代後半になると、CVR改善、広告ROAS、商品ページ改善、レビュー施策、CRM、価格、チャネル別の売上構造といった領域で、自分から課題を見つけて改善できるかが問われ始めます。
私自身、複数モールを同時に担当するようになった時期に、この変化を強く感じました。楽天だけを見ていた頃はレビュー施策の重要性しか見えていませんでしたが、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング・Qoo10を横断的に見るようになって、初めて「どの数字がどう連動しているか」という売上構造そのものが見えるようになりました。
この年代で重要なのは、作業をこなした経験よりも、自分で課題を見つけて改善した経験です。転職市場でも、「広告運用をしていました」より「広告ROASが悪化した原因をセッション数とCVRに分解し、レビュー施策で改善した」というように、課題発見から改善までの一連の流れを説明できる人の方が強く評価されます。
30代前半|自分だけでなく「周囲を動かして成果を出す」
30代前半からは、代理店マネジメント、営業部門との調整、商品企画部門との調整、物流、ブランド、予算配分、チャネル戦略といった領域が中心になります。ここからは、自分ひとりで作業できることだけでは市場価値が伸びにくくなります。
私は代理店と仕事をする中で、代理店から提案された施策をそのまま実行するのではなく、「その提案がメーカー側にとって本当に正しいのか」を自分で判断し、優先順位を決める立場を経験しました。代理店の知識を活用しながらも、最終的な意思決定はメーカー側が持つ。この経験は、作業者としての実務経験だけでは得られないものでした。
この年代で重視されるのは、組織を動かした経験、プロジェクトを任された経験、自分でKPIを持って結果に責任を負った経験です。実務ができることは前提で、その先に何を任されたかが問われます。
30代後半|マネージャーになるか、専門性を深めるかを選ぶ
30代後半になると、マネジメント職としてEC責任者・事業責任者を目指す道、専門性を深めてECスペシャリストとして活躍する道、代理店やコンサルティング側に移る道、独立する道など、選択肢が分かれてきます。
ここで明確にしておきたいのは、管理職だけが正解ではないということです。マネジメントは組織を動かす力を伸ばす選択肢のひとつであって、唯一の正解ではありません。
この年代で選ぶ基準は、肩書きではなく「自分がどこまで事業に影響を与えたいか」だと私は考えています。組織を作りたいのか、特定領域を極めたいのか、複数社を横断的に見たいのか。それぞれの道で求められる経験は異なるため、20代・30代前半でどんな経験を積んできたかが、この選択の土台になります。
市場価値が上がりにくい20〜30代EC担当の共通点
これまで見てきた中で、市場価値が上がりにくい人には共通点があります。それは、知識が少ないことではなく、意思がないことだと感じています。
- 作業だけを続け、なぜその作業をやるのかを考えない
- 今の会社固有のやり方しか経験していない
- 売上の増減を数字で説明できない
- 自分が出した成果を、他人に伝わる言葉で言語化できない
- 代理店に判断まで任せてしまっている
- 他部署が絡む仕事を避けている
- 会社選びを年収の高さだけで決めている
もちろん、会社によって予算がない、権限がないという事情はあります。それでも市場価値が高い人は、その環境の中でできることを探し、小さな改善でも積み重ねています。
転職を考えるときに見るべき会社の条件
会社選びも市場価値の一部です。年代によって見るべき条件は少し変わります。
20代で重視したい条件:経験できる業務の幅、裁量の大きさ、学べる環境があるか。特に代理店を使わずに実務を自分で回している会社は、実務経験の幅が広がりやすい傾向があります。
30代で重視したい条件:意思決定権がどこまで渡されるか、責任範囲の広さ、事業規模、組織体制、経営層との距離。同じ「EC担当」という肩書きでも、会社によって任される裁量は大きく異なります。
未経験からメーカーEC担当を目指す方は未経験からメーカーEC担当になるには?を、メーカーECへの転職を具体的に検討している方はメーカーECへの転職はおすすめ?もあわせてご覧ください。
今の自分に必要な経験を整理するチェックリスト
年代ごとに、当てはまるものにチェックを入れてみてください。
20代前半
- □ 商品登録・広告入稿・在庫確認などの実務を、指示がなくても回せる
- □ 売上だけでなく、セッション数やCVRを日常的に確認している
20代後半
- □ 自分で課題を見つけ、レビューや商品ページなどの改善につなげた経験がある
- □ なぜその施策で成果が出たのかを、他人に説明できる
30代前半
- □ 代理店の提案をそのまま実行するのではなく、自分で判断した経験がある
- □ 営業や商品企画など、他部門を巻き込んでプロジェクトを進めた経験がある
30代後半
- □ マネジメントか専門性を深める道か、自分の方向性を意識し始めている
- □ 自分がどこまで事業に影響を与えたいかを言語化できる
メーカーEC担当として、実務経験を積みながら市場価値を高めていく道筋をより詳しく知りたい方は、EC担当の市場価値を高める5つの行動で4つの成長フェーズとして整理しています。
まとめ
EC担当の市場価値は、年齢そのものでは決まりません。20代前半で実務を自分で回せるようになり、20代後半で自分から課題を見つけて改善し、30代前半で周囲を動かして成果を出し、30代後半でマネジメントか専門性かを選ぶ。その年代でどんな役割を経験してきたかが、市場価値の差になります。
今の自分がどの段階にいて、次に何を経験すべきかが見えてきたら、それが次のキャリアを考える土台になります。
今の自分が市場でどう評価されるのか知りたい方へ
チェックリストで自分の年代に必要な経験を確認しても、今の自分が実際どう評価されるのか、次に何を目指すべきかは、客観的に整理しづらい部分もあります。
現在の経験を踏まえて、今のレベルと次に伸ばすべき経験を整理したい方は、EC担当の市場価値ライト診断をご活用ください。

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