EC担当とは何をする仕事?仕事内容・スキル・キャリアを解説

EC担当の仕事内容を解説するアイキャッチ画像

EC担当とは、オンライン上で商品を販売するための仕組み全体を運用・改善し、ECの売上と利益を伸ばす仕事です。

EC担当の主な仕事

  • 売上をつくる:商品ページの改善、広告運用、モール内の施策、セール・販促
  • 売れる状態を保つ:商品情報の整備、在庫の確認と調整、物流との連携
  • 外部と社内をつなぐ:代理店・モール担当者とのやり取り、営業やブランドなど社内部門との調整

どこまでを担当するかは、会社の規模やECの位置づけ、組織体制によって大きく変わります。

「EC担当=ECサイトを更新する人」と説明されることもありますが、実際の仕事はもっと広く、ECという販売チャネルを事業として伸ばす役割に近いものです。

この記事では、メーカーでEC事業を担当する人の視点から、EC担当の仕事内容、会社による担当範囲の違い、必要なスキル、キャリアと年収までを整理します。ECそのものの基本や業界の構造から知りたい方は、先にECとは何か(EC業界の基本構造)を読むと全体像をつかみやすくなります。

目次

EC担当とは|作業ではなく、ECで売上が生まれる仕組みを動かす仕事

EC担当の仕事を説明するとき、よく挙がるのは次のような業務です。

  • 商品登録・商品ページの更新
  • 売上やアクセスの集計
  • 広告運用
  • 在庫の確認
  • セールやキャンペーンの実行

どれも実際の仕事です。ただ、これらを並べただけでは「何のための仕事なのか」が見えません。その結果、会社や求人ごとに定義がばらばらになり、「何をする職種なのか」が曖昧になりがちです。

EC担当の仕事を一言でまとめると、ECで売上が生まれ、それが続く状態をつくることです。商品登録も広告も在庫確認も、そのための手段にあたります。だからこそ、作業量の多さよりも、数字を見て何を優先するかを決める力が仕事の中身を左右します。

EC担当の仕事内容|3つの機能で整理する

EC担当の仕事は、大きく3つの機能に分けると整理しやすくなります。

機能主な仕事見る数字・関わる相手
売上をつくる(フロント)商品ページの改善、広告運用、モール内の施策、セール・販促の企画売上、CVR、セッション数、広告費
売れる状態を保つ(バック)商品情報の整備、在庫の確認と調整、物流・受注との連携在庫数、欠品、出荷状況
外部と社内をつなぐ(インターフェース)代理店・制作会社・モール担当者とのやり取り、営業・ブランド・商品企画部門との調整施策の進み具合、部門間の合意

① 売上をつくる機能(フロント)

最も分かりやすい領域で、「EC=売上」という印象はここから生まれます。

実務では、日々の売上・利益・CVR・セッション数・広告費といった数字を見ながら改善点を探し、Amazon広告・楽天広告・Google広告・SNS広告など複数の広告面を横断して、売上や利益につながる広告を設計します。あわせて商品画像・商品説明・レビュー・LPを改善し、購入率を高めていきます。広告を回すこと自体が目的ではなく、成果につながる設計ができているかが問われる領域です。

② 売れる状態を保つ機能(バック)

売上はフロントだけでは成り立ちません。人気商品が欠品すれば広告をどれだけ出しても売れず、商品情報が不正確なら返品や問い合わせが増えます。

在庫の確認と補充の調整、商品情報の整備、物流・受注部門との連携は目立ちにくい仕事ですが、売上の上限を決めている部分でもあります。

③ 外部と社内をつなぐ機能(インターフェース)

EC担当は実行者であると同時に、外部のリソースをどう使うかを決める役割も持っています。

メーカーECでは広告代理店・制作会社・ECコンサルなどと仕事をする場面が多く、代理店マネジメントも重要な仕事です。ここでいうマネジメントは進行管理ではありません。戦略を共有し、優先順位を決め、成果につながる方向へ導くことを指します。

3つの機能に共通するのは、作業をこなすことではなく、数字をもとに判断することです。売上・CVR・広告費がなぜ動いたのかを考え、次に何をするかを決める。この判断の積み重ねが、EC担当の仕事の価値を決めます。

担当範囲は会社によって大きく変わる

同じ「EC担当」でも、任される範囲は企業規模、EC事業の規模、社内でのECの位置づけ、組織体制によって大きく異なります。よく見られるパターンを目安として整理すると、次のようになります。

体制よくある担当範囲特徴
1人〜少人数で担当商品登録から広告、受注・問い合わせ対応、数字の集計まで幅広く担当業務の幅は広いが、作業に追われて改善に時間を割きにくい
担当が分かれたEC部門モール別・機能別(広告、商品ページ、CRMなど)に分担専門性は深まるが、全体の数字が見えにくくなることがある
外部パートナー活用型実作業の多くを外部に委託し、社内は方針・KPI・評価を担う外部を動かす判断力と、社内にノウハウを残す工夫が必要

どの体制が正解ということはありません。自分がいまどの範囲を任されていて、どの範囲にはまだ触れていないのかを把握しておくと、次に積むべき経験が見えやすくなります。

メーカーのEC担当は、社内の複数部門をまたいで働く

メーカーでEC事業を担当する場合、EC部門の中だけでは完結しない仕事が増えます。会社によって差はありますが、次のような領域に関わることがあります。

  • 販売チャネル:自社EC、Amazon・楽天市場などのモール
  • 売上・利益:売上目標、広告費やモール手数料を含めた利益の管理
  • 商品:売れ筋やレビューの情報を商品企画部門へ共有し、EC向けの商品やセットを提案する
  • 在庫・物流:生産計画や物流部門との在庫・出荷の調整
  • 価格・販路:営業部門や卸・実店舗との価格の整合
  • ブランド:ブランド部門の方針と、ECでの見せ方・販促のすり合わせ
  • 顧客:CRM(メルマガ・LINEなど)の方針と運用体制
  • 外部パートナー:広告代理店・制作会社・モール担当者

これらをすべて一人で担当するわけではありません。ただ、メーカーのEC担当は「ECの中だけで決められないこと」が多く、他部署との調整が仕事のかなりの部分を占めることがあります。

メーカーならではの仕事の違いは、メーカーEC担当の仕事内容と、一般的なEC担当との違いで詳しく整理しています。

EC担当が「何でも屋」になりやすい理由

EC担当の仕事が曖昧になりやすいのは、個人の問題というより、組織の構造に理由があることが多いです。

ECが後から加わった販売チャネルである

多くの企業にとってECは後から追加された販売チャネルで、組織の設計が追いついていないことがあります。その結果、どの部署にも属さない業務がEC担当に集まりやすくなります。

責任範囲と権限が一致していない

売上の目標は持っているのに、価格や在庫を決める権限はない。外部に委託しているのに、成果を評価する基準がない。こうした状態では、判断の材料も責任も個人に集まりやすくなります。

外部に頼るほど、ノウハウが社内に残りにくい

EC領域は外部への委託が一般的なため、うまくいった理由や判断の根拠が社内に残りにくい傾向があります。これが「自分で判断できないEC担当」を生む一因になります。

EC担当に必要なスキルと向いている人

ここまでの仕事内容を踏まえると、EC担当に向いている人の共通点も見えてきます。それは、全体を見ながら調整できる人です。

  • 営業・代理店・物流など、複数の関係者と調整できる
  • 細かな作業を丁寧に進められる
  • 市場や広告の変化を素早くキャッチアップできる
  • 数字を見ながら改善を考え続けられる

これらをバランスよく持っている人ほど、EC担当として成長しやすくなります。反対に、広告やSEOなど特定の領域の知識だけでは、この仕事の全体には届きにくいのも事実です。

具体的にどんなスキルが、どの段階で評価されるのかは、EC担当者に必要なスキルと、何ができれば評価されるのかで解説しています。

EC担当のキャリアと年収

EC担当のキャリアは、一般的に思われているより広がりがあります。施策を回す段階から、数字を見て改善する段階、社内外を動かして成果を出す段階、ECを事業として設計する段階へと、任される範囲が少しずつ広がっていきます。

進む方向も一つではありません。マネージャーとして組織を率いる道のほかに、広告やモール運営などの専門性を深める道、EC事業全体を担う事業責任者の道もあり、必ずしも管理職がゴールではありません。

市場での評価は、担当した業務の数よりも、成果・再現性・組織通過力で決まりやすくなります。売上を上げたことに加えて、なぜ上がったのかを説明でき、別の商品や組織でも同じように成果を出せるか、社内を動かして実行まで持っていけるかが問われます。

役割の広がりと進路の全体像はEC担当のキャリアマップで、役職ごとの年収の目安はメーカーEC担当者の年収相場で整理しています。

自分がいまどの段階にいるのかを整理したいときは、EC担当のキャリア現在地診断が使えます。12問・約3分で、会社の環境と本人の経験を分けて、いまの現在地と次に積む経験を確認できます。診断で何がわかるのかはキャリア現在地診断の結果の見方で説明しています。

まとめ|EC担当は、ECの売上が続く仕組みを動かす仕事

EC担当とは、ECという販売チャネルの売上と利益を伸ばすために、商品ページ・広告・在庫・外部パートナー・社内の関係部署を動かす仕事です。

担当する範囲は会社によって大きく違いますが、どの体制でも共通するのは、作業をこなすことそのものではなく、数字をもとに判断し、売上が再現される仕組みをつくることです。

この視点を持って仕事に向き合うと、日々の業務が増え続けるだけで終わらず、ECがキャリアとして長く価値を持つ領域になります。


はじめてのメーカーEC講座|STEP 2
この記事は「EC担当者の仕事を知る」STEPの一部です。
▶ 講座の全体を見る

次に読む:
メーカーEC担当の仕事内容とは?一般的なEC担当との違いと求められる役割

関連記事

▶ EC担当者に必要なスキル5つ|何ができれば評価される?実務経験から解説
段階ごとに求められるスキル

▶ メーカーEC担当者の年収相場|役職別の目安と年収を上げる方法
役職別の年収の目安

▶ EC担当のキャリアマップ|役割とキャリアルートの全体像
任される範囲と進路の全体像

▶ ECサイト運営とは?仕事内容と必要スキルをメーカーECの実務目線で解説
EC運営の業務を実務目線で

自分の現在地を整理したい方へ

EC担当としてのいまの経験が、市場でどう評価されるかを整理したい方は、EC担当のキャリア現在地診断もご活用ください。所要時間は約3分です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

EC Career Lab運営者

EC領域で約10年。メーカーEC、ECモール企業でのメーカー支援(100社以上)を経て、現在はメーカー側で複数モールを統括し、月商1〜2億円規模のEC事業を運用しています。

メーカーECの実務とキャリアについて、現場での経験をもとに発信しています。

コメント

コメントする

目次